
スヌーズレンのお部屋について
2026年07月09日 17:48
🌻はじめに
スヌーズレンの活動を行うお部屋(スヌーズレンルーム)には、いくつか種類があります。それぞれに役割や感じ方が異なり、利用する人や目的に合わせて選ばれています。この記事では、その違いと選び方をご紹介します。
🌻ホワイトルームについて
スヌーズレンルームの中でも、もっともポピュラーで一般的なのは「ホワイトルーム」と呼ばれるお部屋です。白い壁、白い天井をベースに、LEDの光をやさしく放つ専用機器や、感覚グッズなどが用いられます。光の動きや色の変化を感じながら、自分のペースで感覚に触れることができます。
▲ホワイトルームの一例
🌻代表的な機器について
スヌーズレン用の機器にもさまざまな種類がありますが、代表的なものの一つに「バブルユニット」と呼ばれる水の入った筒があります。「バブルチューブ」や「バブルタワー」と呼ばれることもあります。筒の底から無数の空気の泡が絶え間なく浮き上がります。また、ゆっくりと色の変わるLEDの光がその泡をやさしく照らします。不規則な動きの中にも規則性があり、見る人を魅了します。筒からは音や振動も感じることができ、安心感やリラックスにもつながっています。
▲画像の真ん中が「バブルユニット」
「サイドグロウ」と呼ばれるものも、人気のある機器のひとつです。光ファイバーが入ったチューブを束ねた機器で、こちらもゆっくりとその色が変化します。安全性にも配慮されたチューブは、足で踏んで感覚を確かめることも、体に巻きつけて重さや手触りを楽しむこともできます。
▲中央手前が「サイドグロウ」
🌻ブラックルーム(ブラックライトルーム)について
スヌーズレンルームにはもう一つ「ブラックルーム」と呼ばれるお部屋があります。こちらは、黒い壁や天井、暗幕で囲ったお部屋にブラックライトをあて、ブラックライトの光に反射するタペストリーや蛍光グッズなどを用いて楽しみます。また、壁や天井をあえて黒にせず、白い壁や天井などを用いてブラックライトの反射を楽しむお部屋を「ブラックライトルーム」と呼びます。
かんかくもーるでは、壁や天井が黒だと、お子さんや暗闇が怖い方などが楽しむことが難しいため、ブラックライトルームを採用し、小さなお子さんにも分かりやすいように「ブラックルーム」と呼んでいます。
▲かんかくもーるのブラックルーム
🌻アクティブルーム(アクティビティルーム)について
ホワイトルーム・ブラックルームの「静」お部屋とは異なり、「動」の刺激を求める方のために、感覚統合療法などを用いた「アクティブルーム」が整備されることもあります。「アクティビティルーム」とも呼ばれます。こちらも、スヌーズレンルームの一つとして考えられていますが、施設や実践者の考え方により、いずれもスヌーズレンルームとする場合や、ホワイトルームとブラックルーム(ブラックライトルーム)の「静」のお部屋のみをスヌーズレンルームとする場合があります。
▲アクティブルームの一例
🌻なぜ種類を分けているのか
「なぜお部屋の種類を分ける必要があるんですか?」そんな質問をいただくことがあります。
スヌーズレンルームとして、なぜこの3つのお部屋が整備されてきたのか。明確な理由が示されているわけではありませんが、実践を重ねる中で、私なりに感じていることがあります。
私は、スヌーズレンの環境づくりの中で、障害や特性のある方でも安心できる環境や、好まれる感覚などを整理し、楽しみの選択肢を増やすことを考えた結果、このようなタイプのお部屋が整えられたのではないかと思っています。
「スヌーズレン」について、「障害のある人が好き」とか「暴れている人も落ち着く」という認識を持たれている方もいらっしゃるようですが、「障がい者だから」という前提には、少し違和感を覚えます。実践を重ねていると、ある一定の傾向のようなものを感じることはありますが、好きな感覚や環境はその人によって異なります。同じ方でも、その日その時によって、お気に入りが変わることだってあります。「障がい者だからこれが好き」「この人はこれが好き」という前提ではなく、その日その時の気分で選んで楽しめる、その選択肢が、それぞれのお部屋に用意されたのだと考えるのが自然な流れのように感じます。
🌻スヌーズレンルームの選び方
とはいえ、すべての施設や実践場所で、それぞれのお部屋を整備することは難しいというのが、日本の現場の現状ではないかと思います。スヌーズレンの導入にあたり、ホワイトルームとブラックルームどちらを選択するのがいいかを検討される場面もあるかもしれません。その選択には、さまざまな視点があると思っています。
・導入費用の問題
・維持管理のしやすさや安全面
・利用者さんの好み
支援の現場などでは、これらを総合的に見ながら、検討されているのではないかと思います。私はここに、「各お部屋の役割や感じ方の違い」も入るといいなと思っています。ホワイトルームとブラックルームとでは、感覚への作用が異なります。例えば、ホワイトルームでは、開放的な感覚を感じたり、回転・揺らぎなどを取り入れたりすることができます。一方、ブラックルーム(ブラックライトルーム)では、動きの少ないお部屋の中で集中力が増したり、視覚的にも分かりやすい情報を楽しんだりすることができます。
スヌーズレンルームの導入にあたっては、費用面が大切にされることも多いかと思いますが、私は、「どのお部屋を選ぶか」よりも、その環境の中で「どのような体験を届けたいか」を考えることが、より大切なのではないかと感じています。それぞれのお部屋の特徴についての理解も広がったうえで、現場の状況や運営に合ったお部屋の採用が進むことを願っています。
🌻最後に
かんかくもーるでは、施設運営などを通じた体験機会や研修・実習の機会提供、実践ダイアログなど通じて、支援する人の体験についてもサポートを行っています。これからも、現場の皆さんとともに考え、悩みながら、利用者さんのよりよい体験や楽しみが広がる環境を、一緒につくっていけたらと思います。