
大西は何をしているのか
2026年08月23日 22:51
🌻かんかくもーるでの役割
「感覚が」とか「環境が」とか言っているけど、結局、大西は「かんかくもーる」で何をしているんだ?
という疑問や、それに対する回答へのニーズがあるのか分かりませんが、今回はそんなお話をしたいと思います。
かんかくもーるで、お客さまをお迎えしているとき、大西は基本的に「黒子」のような感覚でその場にご一緒しています。青江での定位置は、1階「ホワイトルーム」のエアーマットレスとカーテンの間。ここで、ご家族の過ごす様子を見ながら、必要な環境や、いざというときの対応を考えています。
大西からすすんでお声がけをしたり、積極的に関わるということは、まずありません。なので、見る方によっては「何もしてない人」のように感じられることもあると思います。
その方がどこから来られたのか、お子さんはどんな障害をお持ちなのか、支援学校なのか支援級なのか。
それらをこちらからお聞きすることも、ほぼありません。それは、もともと私自身があまり人のことを詮索しない性格だというのもありますが、一番は、ご家族の「いま、このとき」を、大切に思うから。私自身の興味を満たすことも、実践者としての存在感を醸し出すことも、ここでは何一つ必要ないと考えています。
また、障害の有無や通っている施設・学校をお聞きして、お子さんたちをラベリングしたり、フィルターを通して見てしまうことは、その後の関わりにも影響します。大人と子どもという関係性も超えて、一人の「人と人」として向き合うことは、多感覚環境(スヌーズレン)での関わりの基本だと考えます。
とは言え、お客さまからお声がけいただいた際には、必要に応じたお話をさせていただいています。
🌻藤田でのひとこま
かんかくもーるにお越しくださる方の中には、「家でも落ち着いて過ごすことができない」という方も珍しくありません。多くの方は、少し慣れると安心してくつろいだり、夢中になって楽しんだりしながら過ごされますが、初めてのご利用には、やはり緊張がつきものです。

わけも分からず連れて来られた見慣れない場所に、パニックになったり、少し取り乱してしまったり。そんなときは、少し離れた位置で見守ります。
恐怖や拒否の強いときには、保護者の方へこれ以上無理をさせないようお伝えするのですが、この日は「せっかく連れてきたので何とか楽しんでほしい」というご家族の思いを尊重することにしました。
大声を出しても、動き回っても大丈夫なよう、安全面やまわりのお客さまにも配慮しながら見守ります。ご本人はもちろん、ご家族のお気持ちも大切にしながら、「ここまで」という限界ポイントを見極めるのも仕事です。
「大丈夫。ここは、安心・安全な場所だよ。」
いつも、そんな気持ちで見守っていますが、そうした関わりを続けていると、想いが通じたかのように緊張がほどける瞬間というのがやってきます。
この日も突然、大西の横に座って、お気に入りのタオルを見せてくれるという場面がありました。
🌻青江では
青江に移って、言葉を持たない方のご利用がさらに多くなりました。ご家族でさえも「この子が何が好きなのか分からない」というお話を伺います。
言葉を持たない方との関わりには、言葉を超えたコミュニケーションと、気持ちを感じ取る力が必要なのだと思います。お客さまとご一緒しながら、日々訓練をさせていただいている気持ちです。
感覚遊びが好きなお子さんには、スキンシップが大好きというお子さんも少なくありません。
ホワイトルームにある感覚グッズをひと通り楽しんでから、エアーマットレスで横になり、ゴロゴロを繰り返しているうちに、なぜかじわりと大西のところに寄ってくるお子さんたち。やがて、大西の手を掴み、自分の顔やおなかを触らせようとします。フェイスラインをなでたり、背中やおなかをさすったりすると、保護者の方も驚くような反応を見せるお子さんも。さらに距離を縮めて、顔と顔を合わせると、自然と笑顔があふれます。
これは、「子ども扱い」ではありません。成人の方からも求められれば、私は同じ関わりをします。言葉のいらない「あなたとわたし」の関わりです。
🌻結局何をしているのか
環境を整えながら、必要に応じて必要な関わりをする。それ以上でも、それ以下でもないのが、かんかくもーるでの大西の仕事です。
この仕事を通じて感じたこと、見えてきたことなども、また折を見てお話ししたいと思います。